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1.プロジェクトマネジメントの基本 / 1-2.スコープと要件管理の実践 / 1-2-1.要件定義の曖昧さを克服した事例
要件定義段階で生じる曖昧さは、しばしばプロジェクトの進行に大きな影響を与えます。しかし、単に曖昧さを取り除くだけでは不十分です。お客様の本当のニーズを100%引き出し、それを明確にすることが成功に繋がります。曖昧さが生じる背景には、お客様の考えや意図がまだ整理されていない場合や、複数の関係者間で意見の食い違いがある場合が考えられます。
お客様が本当に求めているものは何か、そしてそれをどのように実現するかを理解するためには、ただ「答え」を得るだけでなく、背後にあるニーズや目的を引き出すことが重要です。例えば、ヒアリング時にお客様が「システムがスムーズに動作することが重要」と述べた場合、それが単に「動作が速いこと」だけを指しているのか、システムの「レスポンス時間」や「安定性」など、具体的な側面が含まれているのかをさらに掘り下げて確認する必要があります。こうした深掘りによって、お客様の真の要件を明確にすることができます。
お客様が要件を明確に示せない場合、これは決して「要件がない」というわけではなく、むしろ「お客様自身がまだ決定していない」という状態です。そのため、この場合には決定を急がず、段階的に方向性を決めていくことが重要です。たとえば、あらかじめ大枠の要件を決め、詳細については後から詰めるアプローチを取ることが有効です。このようにして、お客様の不安や迷いを軽減しながら、最終的に明確な要件を引き出していくことが可能になります。
要件定義は一度きりの作業ではなく、進行中にも継続的に見直しが必要です。お客様と定期的にフィードバックを行い、進捗に応じて要件を調整することが、最終的に満足のいく成果物を作り上げる鍵となります。この段階では、定期的なミーティングやワークショップを通じて、要件が本当にニーズに合致しているかを確認しながら進めることが重要です。
お客様が決定を先延ばしにしている場合、それは必ずしも要件が不明確であるためだけではありません。むしろ、お客様が迷っている状況であることが多く、その原因は多くの場合、社内の調整やリソースの不安、将来の不確定要素に関連しています。このような場合、無理に決定を促すことは逆効果です。むしろ、様々な選択肢を提示し、慎重に議論を重ねることで、最終的に最適な決定を引き出せます。
要件定義が曖昧だと、開発の途中で誤解や見落としが生じ、結果としてスケジュールや予算に大きな影響を与えることがあります。この課題を克服するには、要件を具体化するためのプロセスが重要です。たとえば、曖昧な要求「業務を効率化するツールを作りたい」を克服するには、次の方法が有効です。
クライアントと既存のツールやプロセスを基に具体的なイメージを共有します。「どの業務を効率化したいのか」「どのステップがボトルネックになっているのか」を明確にします。
簡単な画面イメージやモックアップを作成し、それを基にクライアントと認識をすり合わせることで、抽象的な要求を具体的な仕様に落とし込みます。
全ての要件を同時に満たそうとするのではなく、最も重要な機能から実装することで、プロジェクトの焦点を明確にします。
これにより、曖昧さを解消し、双方が納得する成果物の実現につながります。
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