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3.PMBOKガイドの詳細 / 3-1.統合マネジメントの事例と実践 / 3-1-3.複雑なプロジェクトでのマネジメント
IT業界において複雑なプロジェクトは、特にクラウド型SaaSサービスの提供や、プロジェクトごとに対応するカスタマイズ開発において顕著です。これらのプロジェクトでは、定期的な機能アップデートや顧客ごとの特定要件に基づくカスタマイズ開発が並行して進められるため、統合マネジメントが非常に重要になります。
例えば、あるSaaSプロバイダーが提供するCRM(顧客管理)ソフトウェアでは、定期的なバージョンアップに加えて、顧客ごとの特別なカスタマイズが求められることがあります。これらのプロジェクトは、複数のチームが異なるスケジュールと優先順位で動いており、各々の成果物が他の部分に影響を与えるため、統合マネジメントが不可欠です。
定期的な機能アップ(バージョンアップ)と顧客ごとのカスタマイズ開発が並行して行われていたため、リソースの割り当て、スケジュール調整、品質管理に大きな挑戦がありました。特に、顧客の特別要件を満たすカスタマイズが新しいバージョンに影響を及ぼす場合、開発の進行と品質を両立させる必要がありました。
プロジェクト管理のために、全体の進捗状況を可視化するダッシュボードを導入し、開発チーム、テストチーム、営業チームなど、各部門との情報共有を強化しました。バージョンアップのスケジュールとカスタマイズ開発のスケジュールを統合的に管理するため、専任のプロジェクトマネージャーを配置し、定期的な進捗会議を開催して、リソースの再配分や調整を行いました。また、リスク管理として、バージョンアップが顧客のカスタマイズに影響を与える場合のテスト計画を事前に立て、リスク回避のために事前にシミュレーションを行いました。
すべてのプロジェクトが予定通り進行し、新機能のバージョンアップはリリース日程通りに顧客に提供されました。カスタマイズ開発についても、顧客の要望に応じた変更が適切に反映され、顧客満足度が向上しました。また、統合マネジメントにより、リソースの最適化が実現し、各部門間の調整がスムーズに行われました。
複数の並行するプロジェクトにおいて、全体的な進捗と個別のニーズを調整することが重要です。統合マネジメントにより、リソースの最適化とスケジュール調整が可能になります。
顧客ごとのカスタマイズと定期的なバージョンアップの間で発生するリスクを適切に管理することで、品質を保ちながらプロジェクトを進行させることができます。
各部門の開発チーム担当者は目の前の開発項目や課題をそれぞれに持っています。そしてメンバーを束ねる管理者がいます。これらメンバーは事前に市場調査、顧客ヒアリング、アンケートなどを行い、機能強化項目を洗い出し、優先順位をつけて、実施計画に落とし込みます。これがバージョンアップの開発作業の一般的な流れです。この流れは一見「定常業務」ととらえることもできるのです。
この定常的な開発作業の中に、特定のお客様個別の要求をどこまで受け入れて対応するのかがポイントになります。プロジェクトの中で対応するのか、それともバージョンアップで強化されるまでお客様に待っていただくのか。利害関係のない(異なる)メンバー間で調整する必要が出てきます。
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