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2.プロジェクトマネジメントの方法論 / 2-1.アジャイル導入の成功事例 / 2-1-1.プロジェクトの生産性を向上させた例
アジャイル手法が生産性向上に貢献する鍵は、「スプリントに分けられる要件やプロジェクトの特性」にあります。
スプリントとは、短期間(一般的に1~4週間)の反復作業期間のことです。この期間内で「完成可能な機能単位」を定義し、着実に進めていくのがアジャイルの基本です。しかし、すべてのプロジェクトや要件がスプリントに分割できるわけではなく、以下のような特性を持つ場合に特に適しています。
たとえば、ECサイトの構築において、「カート機能」「検索機能」「ユーザーログイン機能」など、単体で完結する要件がある場合、それぞれを1つのスプリントとして設定できます。このような場合、各スプリントが独立して進行できるため、スピード感を持って開発を進めることが可能です。
顧客やプロダクトオーナーが「どの機能が最も重要か」をはっきり伝えられる場合、スプリントごとのゴールが明確になります。優先度の高い部分から順に開発を進めることで、価値ある成果物を早期に提供できます。
要件が最初から確定しておらず、顧客が実際の成果物を見ながら要件を固める場合には、アジャイルの柔軟性が特に活きます。この場合、小さな単位で進めるスプリントが、変更への適応力を高めます。
開発中に顧客やステークホルダーからのフィードバックを受けることで、早期に軌道修正が可能なプロジェクトでは、スプリント方式が効果的です。
逆に、以下のような特性を持つプロジェクトや要件に対して無理にスプリントを適用しようとすると、失敗につながる可能性があります。
たとえば、複数の機能が相互依存しており、片方が完成しないともう一方が動かないような場合、スプリントで分けても独立して進めることができません。その結果、遅延が発生し、スプリントの生産性が発揮されないことがあります。
たとえば、航空機や医療機器のように、全体が一つのシステムとして完成しなければ意味を成さないプロジェクトでは、スプリントごとの成果物が途中段階の意味しか持たないため、分割するメリットが低くなります。
クリエイティブな作業や研究開発など、進捗をスプリント単位で評価しにくい場合、アジャイルの進捗報告が形骸化しやすいです。
アジャイルのスプリントが生産性向上につながるのは、「要件をスプリントに分割できるプロジェクトにおいて」適切なプロセスが設計されているからです。一方で、スプリントに適さない要件に無理やりアジャイルを適用すると、かえって生産性が低下したり、プロジェクトが混乱したりするリスクがあります。そのため、アジャイルの適用に際しては、プロジェクトや要件の特性を慎重に見極める必要があります。
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